王宮の調度品を愛でよう。フエ宮廷美術博物館

阮朝王宮外周、王宮から徒歩5分圏内にある博物館が「フエ宮廷美術博物館」です。

阮朝王宮繁栄時代、王宮で皇族が使っていた数々の調度品を見学することができます。

博物館敷地内

博物館の敷地内は例のごとく兵馬俑を思わせる石像が並んでます。

阮朝は清国を宗主国として、中華秩序を重んじていたため、建築物や石像といった随所に中国の真似をしているのが見て取れます。

博物館内部

博物館内部はしんと静まり返っていて、薄暗い館内です。
ワンフロアのみなので、30分もあれば一通り見ることができるでしょう。

ここで収められている調度品はすべてガラスケースに入っていて、その貴重さを物語っています。

調度品を愛でていると分かるのですが、まず驚くべきは、傷1つない調度品の数々です。
阮朝没落後から70年弱経っているにも関わらず、ほぼ完璧に保存されています。

フエはベトナム戦争の激戦区であったことでも知られていますが、それに関わらずこれだけの美術品の数々を現在に残しているのはとてもすごいことなんですよ。

美術好きのカイディン帝

別記事では12代皇帝カイディン帝の廟をご案内しました。
実はこれら調度品の数々はカイディン帝が残していったものと言われています。

当時、カイディン帝はフランス文化に魅了されて、後に建てられた帝廟の随所に西洋建築が見られることは説明しましたね。

カイディン帝はフランスで美術の神聖さを知り、「美術品を見れば、その国の政治、情勢、文化、礼儀、作法がうかがえる」と言っていました。

故に皇族の調度品はどれも豪華なもので、当時阮朝王宮がどれだけ繁栄していたかが分かります。

調度品はすべて金や銀、ガラス、青銅といった高価な素材でした。
これらは中国風及びベトナム独自の文化、技術から造られたものです。

中部フエはもともとはチャンパ王国のあった土地でしたが、ここで培われた技術は南北ベトナム以上と言われています。

中でも青銅の技術は古く、当初はヨーロッパや中国から青銅を輸入していたと言われていましたが、後に学者が研究を重ねるうち、「実は中部地方にはすでに青銅を造る技術があったのではないだろうか」というのが現在の定説となっています。

博物館を見るポイント

これは美術館、博物館全般に言えることですが、美術品の下には必ず説明欄が設けられていて、作られた推定年代が記載されていますね。

実は博物館を一層楽しむのはこちらがポイントです。

美術品というのは時代ごと、また当時収めていた政権の思想によって文化がまったく異なります。

いままで中国風の美術品が並んでいたのに、突然西洋風の美術品に変わったとしたら、その時代が1つの節目であり、文化が変わるほどの何かが起こったということを推測することができます。

時代史と文化史は別個に分けて考えがちですが、この2つの因果関係をよく考えてみると、美術品はその時代の文化を如実に反映したものだというのが分かるはずです。

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